ネオ・オキスタ

[興南vs美里：不調ながら今夏初登板を完封で飾った興南･島袋洋奨投手]

　　
　那覇商が豊見城との延長12回を劇的大逆転で勝利！
　第１シードの興南は､ 島袋が完封するも美里に辛勝！

　沖縄地方が梅雨明けした６月28日、 第91回全国高校野球選手権沖縄大会は２回戦がスタートしました。この日は北谷公園野球場・宜野湾市立野球場の２会場で６試合が行われ､ 北谷公園野球場の第１試合では第１シードで優勝候補筆頭の興南が今大会初登場。その興南は２年生左腕エース島袋が美里を相手に早速完封したものの、試合は辛勝。その他、那覇商は豊見城との延長を劇的な大逆転で制し、 首里・小禄はコールドで快勝、浦添工・宜野湾もそれぞれ３回戦へ駒を進めました。

　北谷公園野球場で行われた第１試合 「興南vs美里」は､ ４回裏に興南が先制。 この回の興南は１死から我如古が右線突破二塁打で出塁すると、続く眞榮平が左線を破る適時二塁打を放ち１点を先取。 更に興南は８回裏、この回先頭の冨里川が右中間を深々と破る三塁打で出塁すると、 敵失で無死１３塁となったところで 再び眞榮平が左中間へ犠飛を放ち１点を追加しました。 投げては２年生左腕エースの島袋洋奨が不調に苦しみながらも奪三振９で美里打線を完封、 沖縄ナンバーワン投手の存在感を存分に見せつけました。 試合は結局２－０で興南が美里を下しましたが､ この日は２年生主体の美里の健闘が目に付きました。 特に投手陣は先発の２年生左腕・安慶田剛士と 小柄な２年生本格派・儀間弘樹とのリレーで 強打の興南打線を被安打５の２失点に抑え、優勝候補筆頭の第１シードを慌てさせました。 打線も伊礼の二塁打を含む７安打を 興南のスーパー左腕・島袋に浴びせ、 満員の観客を 何度も沸かせました。今夏の大本命・興南は、初戦のせいもあってか幾分堅さも見受けられましたが、貫禄の勝利で３回戦へ駒を進めました。
　続く第２試合「浦添工業vs宜野座」は、まず宜野座が先制しました。 １回表の宜野座は先頭の我如古がいきなり右中間突破の三塁打で出塁すると､ 続く新城が左犠飛を放つ速攻で１点を先取しました。 ところが１回裏の浦添工は先頭の手登根が左前安打で出塁すると 犠打と敵失であっさりと同点に追い付き、 更に２死３塁から又吉が逆転二遊間突破中前適時で２－１とすると、西原の三遊間突破左前安打と連続死球で押出しの１点を加え、この回３点を挙げました。 しかし宜野座も３回表､ この回先頭の宜野座が右前安打で出塁すると、犠打で１死２塁とした後に我如古が二遊間突破の中前適時打を放ち１点差に迫りました。そして勢いに乗ったまま序盤を終えて中盤以降の反撃に望みを託した宜野座でしたが、６回表に先頭の翁長が中前安打で出塁すると、 浦添工は先発の巨漢・比嘉元樹からエース右腕の運天ジョン・クレイトンへスイッチ。結局この継投が功を奏し、運天はその後の宜野座の反撃を無安打の無失点に抑えました。打線の方も６回裏に２死２塁から運天の適時二塁打で１点を加えると、７回裏には手登根の左越え二塁打を皮切りに犠打と新里の左犠飛に走塁妨害が絡みもう１点追加、 更に８回裏にも 又吉の二遊間突破中前安打と犠打の後に 佐和田が右線へ適時三塁打を放ち点差を大きく広げました。試合は結局終盤に力を見せ付けた浦添工が６－２で宜野座に快勝しました。 浦添工・比嘉と運天の投手陣は 強打の宜野座打線に対して被安打５の７奪三振・与四死球０・失点２という安定感を見せて､ 今後の投球にも期待を抱かせました。宜野座先発の左腕・石川幹久とリリーフの右腕・糸数聖也の両２年生投手は浦添工打線を相手に気迫の投球を見せましたが、勝負どころでの浦添工打線の集中力の前に涙を飲みました。
　第３試合の「小禄vs南部工業」は､初回から小禄の猛打が炸裂。１回裏の小禄は２死無走者から大城が左中間への二塁打で出塁すると３連続四球で押出しの１点を先取すると垣花が左線突破の走者一掃適時二塁打を放ち、更に宜野座も右線適時打で続き、この回大量５点を先制しました。 一方の南部工は4回表、 この回先頭の比嘉啓が一二塁間突破の右前安打で出塁すると 犠打等で２死３塁とした後に 西銘が二遊間突破の中前適時打を放ち １点を返しました。 ところが小禄は４回裏、１死から安藤が三遊間突破の左前安打で出塁すると下地の三遊間内野安打と盗塁で２死２３塁とした後に 大城の三遊間遊ゴロの間に１点を加え、更に６回裏には１死から上里の右前安打と敵失・盗塁等で２死２３塁とした後に大城の左越え２点適時二塁打と外間の中越え適時三塁打でこの回３点を挙げて、９－１と試合を優位に進めました。南部工は７回表にこの回から登板した小禄の二人目・１年生左腕の山里悠也を攻め､ 四球と島添の左中間二塁打、城間の二遊間突破中前適時打で１点を返しましたが反撃もそこまで。試合は９－２の７回コールドで小禄が南部工に圧勝しました。小禄は長短９安打を放った打力に加えて４個の盗塁を決めた機動力も光りました。 南部工の好投手・知念周作は初回に２死無走者としながら連続四球で押出しを与えたのが最後まで大きく響き、リズムに乗る事が出来ませんでした。

　宜野湾市立野球場で行われた第１試合「首里vs知念」は３回表に１点を先制した首里が、４回表には金城裕の３ラン等で大量６点を追加。 更に首里は６回表にも３点を挙げ、 結局長短14安打を放ち３盗塁を決めた首里が10－０の６回コールドで知念に大勝しました。首里の先発・座波孝行は この試合も６回を投げ被安打１の与四死球０で、 １回戦の南部商戦に続く完封勝利を果たしました。
　続く第２試合「宜野湾vs沖縄工業」は、２回裏に１点を先制した宜野湾が７回裏にも２点を追加。対する沖縄工は、 ９回表に２点を返して１点差に詰め寄りましたが、 試合は３－２で宜野湾が沖縄工に競り勝ちました。 宜野湾の先発･田仲康希は被安打８の失点２で完投勝利を収めました。 沖工投手陣も 先発の小柄な１年生左腕･島袋圭亮から中山智貴・神里琢磨と繋ぐ好継投で、宜野湾打線を自責点２に抑える好投を見せましたが一歩及びませんでした。
　第３試合の 「那覇商業vs豊見城」は 延長に縺れ込む熱戦となりました。 試合は１回表に豊見城が１点を先制するも、 那覇商も３回裏に１点を返してすかさず同点に追い付きました。 そして試合は 豊見城の２年生右腕・大城紳貴が持ち味を発揮すれば、 那覇商投手陣も継投で繋ぎ豊見城打線に決定打を許さずそのまま延長へ。 そして迎えた延長12回表、豊見城は敵失を足掛かりに２点を挙げましたが､ その裏の那覇商も 敵失等で同点に追い付くと 1死満塁から中田将也がサヨナラの右前適時打を放ち、試合は劇的な延長大逆転で那覇商が豊見城との激闘を４－３で制しました。那覇商は先発の左腕・伊計直弥から右腕の具志堅北斗、そして 大城潤へのリレーで12回を被安打８の３失点と好投した投手陣の粘りが 最後に勝利を呼び込みました。一方の豊見城先発の大城は最後まで１人で投げ抜き被安打８の自責点３と力投を演じましたが、最後の148球目が甘く入って涙を飲みました。

　大会第６日目の７月４日は、 北谷公園野球場・宜野湾市立野球場・糸満市西崎球場の ３会場で２回戦の６試合が行われます。


　第91回全国高校野球選手権沖縄大会・トーナメント表
　http://neogaia.ti-da.net/e2507528.html


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