ネオ・オキスタ

[興南vs八商工：9回表興南の攻撃｡小濱の右中間二塁打で山元が生還｡]


プレイバック2007夏.6

17安打の猛攻！興南が前年度覇者の八重山商工を撃破！！

第89回全国高校野球選手権沖縄大会六日目の6月30日、北谷公園野球場で行われた第
1試合「興南vs八重山商工」は、興南が長短17安打の猛攻と2年生左腕・當山投手の快投
で前年度代表校の八重山商工に圧勝しました。
昨年は春夏の甲子園に出場して 今期は秋季大会優勝・春季大会4強の強豪・八重山商工。
対する興南は実績充分の我喜屋新監督を迎えて波に乗る実力校。 2回戦で早くも激突した
屈指の好カードは、 試合前の予想に反し興南が最終回に一気に突き放して「9-2」と一方的
な展開で終わりました。 延べ8人の投手を繰り出した八重山商工に対し コンパクトな振りで
安打を重ねた興南打線は見事でしたが、 それ以上に八重山商工投手陣の不調が響いた試
合でもありました。 なお興南先発の2年生左腕・當山和人投手は、 6四死球を出しながらも
被安打1の快投で強打の八商工打線に付け入る隙を与えぬ快投を演じました。


◇第89回全国高校野球選手権沖縄大会（六日目）

2007年6月30日（土）

▽2回戦（北谷公園野球場：第1試合）

興　 南 211 000 005 - 9
八商工 200 000 000 - 2

（興）當山 - 宮里
（八）當山、大嶺、當山、大嶺、當山、波平、平安名、大嶺 - 下里

二塁打 - 砂川、小浜（興）金城賢司（八）


興南が當山和人・ 八重山商工が 當山徳人と 両左腕の先発で始まった試合は、 初回から
興南打線が爆発。 1回表の興南は、先頭の小濱が右前安打で出塁すると2番・新崎のヒッ
トエンドランは中前に抜け、 いきなり無死13塁の好機を作りました。 更に 盗塁と四球で無
死満塁としたところで4番・井上が右犠飛を放ち、1点先制。 そして2死23塁から6番・比嘉
の中前適時打で、この回2点を挙げました。
対する八商工も 先頭の船道が失策で出塁するとすかさず二盗。 更に2 番・嘉数の一ゴロ
で1死3塁としたところで 3番・金城賢司が 左越えに適時二塁打を放ち1点を返します。 そ
して 2死から死球で12塁となったところで 6番・洲鎌の当たりが三塁失策を招き 2走生還。
興南・當山の 立ち上がりの乱れをついた八商工は あっという間に 同点に 追いつきました。
しかし打線活発な興南は、 2回表に この回先頭の當山が中前安打で出塁すると 犠打と2
番・新崎の右前安打で1死13塁とします。 そして新崎が二盗を試みた時に 八商工守備陣
が乱れ 3走當山が生還して、 すぐさまリードを奪いました。 更に3回表の興南は、2死から
山元・宮里の連打で2死12塁としたところで9番・當山が左線に適時打を放ち「4-2」。再び
2点差として試合の主導権を握りました。
その後も興南は 度々得点圏に走者を進めるも 八商工の小刻みな投手リレーの前に 追加
点を奪えず、 また八商工も興南・當山の荒れ球になかなか的を絞れず 2回以降は無安打
とチャンスらしいチャンスを作ることが出来ず、試合は最終回まで進みました。
9回表の興南は、この回先頭の砂川が あわや本塁打かと思えるようなライナーを左中間フ
ェンスにぶつける二塁打で出塁。 更に四球と野選で無死満塁となったところで8番・宮里が
中前に2点適時打。そして犠打で1死23塁とし、1番・小濱は右中間へ2点適時二塁打。続
く2番・新崎の内野安打と死球で1死満塁となったところで 4番・井上が中犠飛を放ち、この
回なんと5点を追加。「9-2」と試合をほぼ決定付けました。
好投を続ける興南・先発の當山は 9回裏も3人で切って獲り、 終わってみれば与四死球6
ながら被安打は初回の1本のみという快投を演じて前年度王者を封じ込めました。

思わぬ大敗を喫した八重山商工ですが、 パワーヒッターを揃えた強打線は 見応え充分で
した。 今年のチームは秋に沖縄を制覇して順調なスタートを切りましたが、 春以降に主力
の故障や投手陣の不調が続き、 結局 今夏は万全の状態で迎える事が出来なかったのが
悔やまれます。しかしまだまだ素材豊かな選手が多く残る八重山商工。 「石垣島から全国
制覇」と言う高い志を決して忘れず練習に励み、 これからも野球ファンを沸かせて欲しいと
願います。
興南はこれまで実力がありながらも結果を残せない状態が続いていましたが、今夏は投打
ともにチームがうまく機能して勢いにも乗りました。特にこの試合で強打の八重山商工を抑
えた2年生左腕の當山投手は、変速フォームからの度胸満点の投球で唸らせてくれました。
強打線相手に緩い変化球で思い切って内角をつく投球は、 ピッチングの本質について改め
て考えさせられました。 この後快勝に次ぐ快勝で結局夏の沖縄を制した興南でしたが、 2
回戦のこの試合は大きなターニングポイントになったと思います。


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