2007年04月30日

春季九州高校野球大会を終えて

中部商vs沖尚.北谷球場


▽第120回九州地区高校野球大会

4月27日春季九州高校野球大会の決勝戦が行われ、清峰(長崎)が日南学園(宮崎
)を延長戦の末に6-4と逆転で破り、3季ぶり2度目の優勝を決めました。 この試合7
回まで無得点に抑えられていた清峰打線が8回に4点を挙げ同点に追いつくと、その
勢いで10回には2点を挙げて勝ち越しました。 清峰ナインの脅威の粘りには驚くと同
時に敬意を表します。

沖縄県代表・中部商業は残念ながら準々決勝で、 宮崎代表・日南学園にコールド負
けを喫しました。そこで、 以下地元新聞の記事を掲載、 中部商の九州大会での戦い
ぶりを振り返ってみたいと思います。


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投打において、日南学園の方が中部商を上回ったのは明らかですが、 中部商も万全
ではなかった事が伺えます。やはり初日に引き分け再試合をした事と、監督交代があ
ったばかりだという事は、大きく影響したと思われます。


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[4月25日付 琉球新報朝刊より]

春季九州高校野球 第4日

中部商4強ならず

日南に七回コールド

高校野球の春季九州大会(第120回九州大会)第4日は24日、大分市の新大分球場
で準々決勝4試合を行った 。 県代表の中部商業は日南学園(宮崎)に1-8で七回コー
ルド負けを喫し、準決勝進出を逃した。

◇春季九州大会第4日(24日・新大分)

▽準々決勝

日南学園 302 0112 0 - 8
中部商業 000 0010 0 - 1
(七回規定によりコールドゲーム)

(日)湯野 - 畑中
(中)与儀、湧川、蔵当、羽地 - 仲松、伊波、兼城

▽本塁打=西井、中本、大原(以上日)

焦点

経験を夏につなげる

盛根監督 初采配に手応え

夏につながる野球がどれだけできるか。盛根一美新監督体制の下、中部商ナインが自
問自答しながら望んだ春の九州大会は、8強に終わった。
初日の雨が、3日目にたたった。「頑張ったけど、3日連続ですからね」と、盛根監督。
先発の与儀尚弘を皮切りに、湧川雄貴、蔵当一幸、羽地淳平の4投手の総力戦で臨ん
だが、投手陣は低めの制球が乱れた。
3本塁打を含む6本の長打を浴び六回表までに痛恨の8失点。 盛根監督は 「五回裏に
1点返したときは、六回表を守れば流れが来るから、 と元気になったんだが・・・」 と、力
負けを悔しがった。
3試合ともスタメンは 、選手たちが主体になって考えた 。ベスト4を懸けた日南学園との
一戦には、与儀先発を兼城雅主将が盛根監督に上申。連投を強いられた3人の負担を
軽くするのはもちろん 「彼にも経験させたいという気持ちがチーム全体にあった」 (盛根
監督)。連戦にはなったが、一試合多く経験できたのも事実。「日南戦も当たりが不運だ
っただけで、完封されるチームではないと思った」と、初采配の盛根監督も手応えを感じ
た様子。


[4月25日付 沖縄タイムス朝刊より]

九州高校野球

中部商4強ならず

日南に七回コールド

高校野球の春季九州大会(第120回九州大会)第4日は24日、大分市の新大分球場
で準々決勝4試合を行い、中部商は日南学園(宮崎)に、1-8で7回コールドで敗れ、4
強入りはならなかった。
中部商は 、初回から死球や長打などで 、3点を献上。三回にはランナーを三塁に置い
て2番手で登板した湧川雄貴が日南5番西井に2点本塁打、3番手の蔵当一幸も五回
に4番中本のソロ、六回にも2番大原に2点本塁打を浴びた。
打線も 日南学園先発の湯野の打たせて取る投球の前になかなか出塁できず 、5回に
1番與座樹の右前適時打で1点を返すのがやっとだった。

焦点

大会随一の打線に完敗

「今大会随一の日南打線にやられた 。完敗です」 。中部商の盛根一美監督は淡々と試
合を振り返った。浴びたホームランは3本。必勝パターンの継投策は通じなかった。
日南は、コースを突いた厳しい球をファウルで粘り 、浮いた球を待ちかねたように 、次々
とはじき返した。 だが、1得点で終わった中部商打線も、日南先発の湯野をとらえてはい
た。「運もなかった」というように、打球の多くは、野手の真正面に飛んだ。
今大会が中部商での初采配(さいはい)となった盛根監督は 「守備力強化と投手個々の
安定感の向上が必要」 と課題を挙げた。 これまでの3イニングずつの3投手継投にこだ
わらず「完投能力のある投手をつくっていく」という。
主将で捕手の兼城雅は 「コールド負けは初めて。今までがうまく勝ち過ぎていた」 と悔し
そうに語る。 県春季大会は 、決勝でも 4点差をつけて制覇 。その自信が打ち砕かれた。
兼城は「『今日負けて良かった』と思えるように、弱い面をしっかり補強したい」と、夏の大
会を見据えていた。

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[4月24日付 沖縄タイムス朝刊より]

中商、森破り8強

高校野球の春季九州大会(第120回九州大会)第3日は23日、大分市の新大分球場
などで2回戦の残り6試合を行った。前日に降雨順延、再試合となった中部商は 、森(
大分)を6-4で下し、8強入りした。
中部商は二回裏、7番大城浩哉の左中間への適時二塁打で先制すると、三回にも2点
追加した。五回に1点差まで詰め寄られ、その後も引き離しては、守備の乱れから差を
縮められる展開となったが、七回から登板したエース羽地淳平が森の追撃を振り切った。

◇春季九州大会第3日(23日・新大分)

▽2回戦

森(大分) 000 022 000 - 4
中部商業 012 030 00x - 6

(森)武石卓 - 木村
(中)蔵当、湧川、羽地 - 兼城

本塁打=大村俊(森)
三塁打=大城亮(中)
ニ塁打=大塚、尾方(森)
    大城亮(中)

直球狙いチームに積極性

4番大城亮 3安打打点

4打数3安打3打点と、中部商の4番として十分過ぎる役割を果たした大城亮。打った
のはすべて甘く入ったカーブだった 。 「 みんなにさんざん直球を打たれていたので、
やっぱり変化球で来た」というように 、チーム全体の積極性が、主砲の狙いを絞らせ
た。試合前のミーティングで、直球を序盤で打ち込むことで森のエース・武石卓の「戦
意をそごう」と決めた。武石が自信を持つストレートを打って威圧する作戦だ。
「カーブはファウルで切って、直球を待った」 という先頭打者の與座樹は 、3打数2安
打の活躍。狙い通り、武石は変化球主体の投球へと変わっていった。
だが、守備で浮き足立った。六回の2失点は、犠打処理での野戦で走者をためたこと
が要因となった。
盛根一美監督は 「 このチームの弱いところが出た 。 無理せず1死取るべきところで、
判断ミスやエラーがあった 。今日は打撃でフォローできたが、守備は今後の課題だ 」
と自ら招いた失点に苦言を呈した。


[4月24日付 琉球新報朝刊より]

春季九州高校野球 第3日

中商、きょう日南戦

8強決まる 熊本工など選抜組敗退

高校野球の春季九州大会(第120回九州大会)第3日は23日、大分市の新大分球場
などで2回戦の残り6試合を行い 、選抜大会で4強入りした熊本工(熊本)は筑陽学園
(福岡)に4-9で敗れた。
降雨引き分け再試合となった一戦は中部商が森(大分)に6-4で勝った。

堅守で反撃断つ

中部商 足絡め着実加点

中部商が盗塁を絡めた攻撃で着実に加点すると、守備では四つの併殺など好守でしの
ぎ、安打数で上回る森(大分)を破って準々決勝進出を決めた。
二回裏 、中部商は二死から6番安富奨が内野安打で出塁。盗塁を決めると、7番大城
浩哉が左中間への二塁打で先制した 。三回にも二死から盗塁で二塁に進んだ宮里至
を4番大城亮が三塁打でかえし、小気味よい攻撃でリードを広げた。
守備では エラーなどのミスからピンチを招くが 、好守で切り抜ける場面がたびたびあっ
た。 一回表 、先発蔵当一幸の先頭打者への初球はデッドボール。しかし 、直後に捕手
兼城雅が一塁走者をけん制で刺し、嫌な雰囲気をすぐに打ち消す。
四回表にはエラーなどから二死一、ニ塁とされ、森6番麻生の打球は左前に抜けようか
というヒット性の当たり 。これをショート與座樹が好捕でしのいだ 。八回にも野選などで
三塁まで進めるが、併殺と外野フライで森の反撃ムードを断ちきった。
準々決勝の相手は投手力を誇る日南学園(宮崎) 。中部商の森根一美監督は「打つの
は難しいかもしれないが、こちらもピッチャーに踏ん張ってもらい、競って勝ちたい」と投
手陣の頑張りに期待をかける。

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[4月23日付 沖縄タイムス朝刊より]

春季九州高校野球

中部商分け 降雨再試合

高校野球の春季九州大会(第120回九州大会)第2日は22日、大分市の新大分球場
などで2回戦6試合を行う予定だったが、降雨のため再試合や順延となり、同じカードを
23日に再び行うことになった。
新大分球場の第1試合 、森(大分)-中部商は九回を終え2-2の同点で引き分け再試
合となり、臼杵市民球場の第1試合、熊本工(熊本)-筑陽学園(福岡)は三回終了後、
降雨ノーゲームとなった。
このため大会日程は1日ずつ繰り下げられ(25日が休養日)決勝戦は27日となった。

◇春季九州大会第3日(22日・新大分)

▽2回戦

森(大分) 000 000 002 - 2
中部商業 001 000 010 - 2
(九回降雨引き分け再試合)

(森)武石卓 - 木村
(中)蔵当、湧川、羽地 - 兼城

雨で制球乱れ同点に

〇・・・中部商業は八回まで好守で森(大分)にホームベースを踏ませず、完封ゲーム
の展開。盛根一美監督は 「ランナーを出してバントされても、二塁で刺したり、ゲッツ
ーで防いだ。理想的な守備ができた」とほぼ満足した様子だった。
だが、七回から無安打に抑えていたリリーフ湧川雄貴が最終回、雨で変化球の制球
が乱れ、3安打に死球、暴投を与えて同点に追いつかれた。
盛根監督は。勝ちゲームを逃しての再試合に「もう一試合、強豪チームと戦えるのは
良いこと。勉強させてもらう」力強く語った。

[4月23日付 琉球新報朝刊より]

春季九州高校野球

中部商 降雨引き分け

きょう森(大分)と再試合

高校野球の春季九州大会(第120回九州大会)第2日は22日、2回戦6試合が予定さ
れていたが、新大分球場の第1試合、県代表の中部商と森(大分第1代表)の対戦は2
-2の同点で9回を終了し、降雨のためコールドゲームで引き分け再試合となった。臼杵
球場の第1試合、熊本工-筑陽学園は試合途中で降雨ノーゲームとなった。両球場の
残り4試合も雨天のため中止。順延し、23日に2回戦6試合が行われる。
中部商は 三回裏一死から2番知念真平の中堅越え三塁打を足掛かりに先制 。八回に
も同じく一死から8番兼城雅主将の左中間を破る三塁打から貴重な追加点を奪った。
九回表、先頭打者に安打を許し 、死球や不運な内野安打などで無死満塁にされ 、4番
武石卓の適時打などで同点に追い付かれた。

絶体絶命のピンチ救う

3番手登板の羽地

〇・・・九回表、同点にされなお無死ニ、三塁。絶体絶命のピンチを中部商のエースナンバ
ーを背負う羽地淳平が救った。
5番打者のカウント1-1から、3番手でマウンドに上がった羽地は、初球得意のスライダー
でファウルを打たせて追い込むと、 外角のボール球 (直球)を振らせ三振。続く打者を左
飛と二塁ゴロに打ち取り、完ぺきなリリーフをみせた。
「きょうは出番がないと思っていたので緊張した」羽地だが「ここで抑えないと意味がない」
と強い気持ちで向かい、投げ勝った。
この試合が中部商での初采配(さいはい)だった盛根一美監督は初勝利は惜しくも逃した
ものの、「ああいう場面で救援に出て、よく抑えてくれた。 大きな体験になっただろう」 と九
州の舞台で背番号「1」が大きな自信を得たことを喜んだ。


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それでも、中部商にとっては好材料も多く見つかった大会だったと言えると思います。(例
えば羽地投手の成長、新たな課題の発見等々)。 盛根新体制のもとスタートした中部商
野球部の今後の大いなる飛躍を期待したいと思います。


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Posted by neogaia at 04:39 │九州高校野球






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