ネオ・オキスタ

[宮古vs浦添商： 5回裏の宮古は、元長貢紀が同点の適時二塁打を放つ]


　興南、豊見城南、浦添工業、宮古が４強へ！！
　　
　第58回沖縄県高等学校野球秋季大会十一日目の10月4日は､ 北谷公園野球場と 宜野
座村立野球場で準々決勝4試合が行われ､ 浦添工業､ 宮古､ 興南､ 豊見城南が それぞれ
準決勝へ駒を進めました。 浦添工業は初の準決勝進出､ 宮古は2年ぶり8度目、興南は5
年ぶり16度目、豊見城は16年ぶり3度目のベスト4進出となりました。

　北谷公園野球場で行われた第一試合「浦添工業vs宜野湾」 は延長に縺れ込む熱戦とな
りました。浦添工業が比嘉元樹、宜野湾が島袋勝斗と両右腕の先発で始まった試合は、ま
ず浦添工業が先制。5回表の浦添工業は、1死から敵失と新里の内野安打、四球で1死満
塁としたところで､ 西原の遊ゴロが野選を誘い3走が生還。 更に手登根が左前適時打を放
ち、この回2点を先取しました。対する宜野湾は7回裏、この回先頭の島袋が二遊間を破る
中前安打で出塁すると、 二盗後の1死2塁から山内が1塁線突破の適時二塁打を放ち1点
を返しました。更に宜野湾は8回裏､ この回の先頭・金城の1塁線突破二塁打と犠打で1死
3塁となったところで､ 比嘉義が中堅へ大きな犠飛を放ち2-2の同点に追いつきました。 そ
して試合はそのまま延長へ突入し､ 迎えた10回表。 浦添工業は、この回先頭の新里が中
前安打で出塁した後に二つの四球等で2死満塁となったところで、 又吉の遊ゴロが敵失を
誘い3走が生還して1点を勝ち越しました。 結局これが決勝点となり、10回も3人で締めた
浦添工業が3-2で宜野湾を下して初の準決勝へ進出を果たしました。
　この試合ではなんと言っても浦添工業の巨漢エース・比嘉の好投が光りました。 威力の
あるストレートとスライダーに 抜群の制球力で、 無四球12個奪三振の 快投を演じました。
特に9回裏の三者連続三振は圧巻。最後の打者も三振で締め､ 浦添工業初の4強進出に
大きく貢献しました。 また宜野湾のエース・島袋も、比嘉に劣らぬ好投を演じ、切れの良い
スライダーを武器に、浦添工業打線を9回2失点に抑えました。宜野湾は5回表に、浦添工
業が2点を先制した後の1死満塁のピンチを凌ぎ終盤の同点劇に繋げました。 しかし､7回
裏に1点を返した後の2死3塁の好機に畳み掛ける事が出来ませんでした。また4回裏2死
3塁の先制機でも決定打を奪えず、試合の主導権を握る事が出来ませんでした。

　第二試合の「宮古vs浦添商業」は 実力校同士の対戦に相応しい激戦となりました。宮古
・長浜謙太、浦添商業・新垣大成の 両エースの試合で始まった試合は、 まず浦添商業が
先制。5回表の浦添商業は、この回先頭の金城が1塁線を破る二塁打で出塁すると､ エン
ドランで1死3塁となったところで、新垣大がスクイズを決め1点を先取。対する宮古はその
裏､1死からの四球と犠打で2死2塁としたところで、元長が右翼右へ同点の適時二塁打を
放ちました。 更に次打者・川田敬遠で2死12塁となったところで、親泊の左前適時打が右
翼手の後逸を誘い二者生還して3-1と逆転､ そして2死3塁から仲間将の三遊間への当り
1塁悪送球を誘い1点追加。 この回4点を挙げた宮古はその後も試合を優位に進め、4-1
で浦添商業を破り、2年ぶり8度目のベスト4進出を果たしました。
　この試合でも宮古の力強さが目を引きました。 安打数こそ6本ですが、強烈な打球や威
圧感で終始浦添商業に重圧を与え続けました。 浦添商業は、2回裏に1死3塁のピンチで
宮古・伊佐の痛烈な一塁線への当りを一塁手の山城が好捕するなど、 随所で素晴らしい
プレーを見せましたが、大事な所でミスが続きました。また攻めても宮古を上回る8安打を
放ち、再三塁上を賑わしましたが決定打を奪えませんでした。 3回表は1死2塁、4回表に
は2死13塁とした先制機を逸しました。 また7回表は1死12塁の好機を活かせず､8回表
には1死1塁から二盗失敗後に仲里の左前安打が飛び出すなど、ちぐはぐさも目立ちまし
た。最終回にも1死から仲里が左前安打で出塁して二盗に成功するも、金城がフルカウン
トから自信を持って見送った外角低めが ストライクの判定となり三振､ その後死球を得る
も反撃には至りませんでした。宮古バッテリーは、2回表の2死2塁で捕手・親泊が牽制で
二走を刺殺、5回表にも1点を失った直後に2死2塁で投手・長浜が逆を突く牽制で二走を
刺殺、そして終始執拗な牽制で浦添商業の誇る機動力を完全に封じ込めました。エース・
長浜はツーシームを常に低めに散らす抜群の制球力で、 試合巧者の浦添商打線を翻弄
しました。浦添商業エースの新垣大は、序盤は丁寧な投球で強打の宮古打線をかわし続
けましたが、 中盤は宮古打線の圧力に堪え切れなくなり、 制球が定まらなくなったところ
で痛打を許しました。それでも終盤好投した長嶺一真まで繋ぎゲームを作りましたが､ 地
力に勝る宮古の前に屈し、浦添商夏春連続甲子園出場の夢は潰えました。

　宜野座村立野球場で行われた 第一試合「興南vs嘉手納」は､ 興南が左腕の島袋洋奨、
嘉手納が右腕の池原有と両1年生エースの先発で始まりました。 最後まで息詰まる投手
戦が展開された試合は、 9回裏に、二塁打で出塁した石川を山川の適時二塁打で返した
興南が1-0のサヨナラ勝ちを収めました。この試合、興南の島袋は被安打4の9奪三振で
完封、興南の5年ぶり16度目の準決勝進出に大きく貢献しました。 嘉手納・池原も8回ま
で被安打5の無失点と好投しましたが､ 最後は制球が僅かに甘くなり、痛打を喫しました。

　第二試合 「豊見城南vs本部」は、3回表に逆転した豊見城南が本部を圧倒しました。試
合は本部が1回裏に1点を先制するも、 3回表の豊見城南は、 スクイズ二つで逆転に成
功。更に2本の二塁打を含む打者一巡の猛攻でこの回一挙5点を入れ、試合を優位に進
めました。 投げては先発の赤嶺を3回からリリーフしたエース呉我が 本部の反撃を無失
点に抑え、試合は6-1で豊見城南が快勝。 見事6年ぶり3度目の4強入りを果たしました。

　大会第12日目の10月5日は､北谷公園野球場で準決勝2試合が行われました。



[浦添工vs宜野湾：浦添工のエース比嘉元樹は12奪三振の快投を演じた]


[宮古vs浦添商：宮古のエース長浜謙太は抜群の制球力で浦添商を翻弄]


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