ネオ・オキスタ

[聖光学院を相手に完封した沖縄尚学･東浜巨投手。※ 写真は県大会より]


東浜が完封！沖縄尚学、スミイチを守り抜く！

第８０回記念選抜高校野球大会 (日本高校野球連盟、毎日新聞社主催､4月3日まで、阪
神甲子園球場)の五日目第三試合で登場した九州地区代表の沖縄尚学高校は、 東北地
区代表の聖光学院（福島）との二回戦を戦い、 1回表に相手投手のボークで挙げた1点を
守り抜き、辛くも初戦を突破しました。 初回の沖縄尚学は先頭の伊古が右中間フェンス直
撃の二塁打で出塁し、犠打で三進したところで聖光学院の先発・仲田のボークにより生還。
沖縄尚学はその後、 仲田の好投の前に 最後まで封じ込まれるも､ 先発の東浜が味方守
備に助けられながらも見事完封勝利を成し遂げ、1-0で僅差の試合を制しました。
　　

第８０回記念選抜高校野球大会・試合結果（第5日）

▽2008年3月26日（水）阪神甲子園球場

▽2回戦・第3試合（開始14:40 試合時間 2時間4分）

沖縄尚学（九州） 100 000 000 - 1
聖光学院（東北） 000 000 000 - 0

（沖）東浜 - 嶺井
（聖）仲田 - 竹沢

二塁打＝伊古（沖

◇ボーク　仲田2（1回、4回）
◇審判　田中豊（球）松本、中島、長谷川（塁）
◇残塁　(沖縄尚学)4　(聖光学院)7　◇併殺　(沖縄尚学)1　

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最後の最後まで予断を許さない試合でした。もはや球運でしか勝敗が決し得ないような切
磋した両校の戦いに痺れました。 結果、何とか勝負に勝ちはしましたが､ 内容は負けてい
たと言ってもおかしくありません。 とは言え、昨日の沖尚ナインは持てる力を出し切れたと
思います。とにかく聖光学院の仲田投手が素晴らしい投球をしました。速球と変化球の切
れ、頭脳的なコーナーワークと言い マウンド度胸と言い、高校生では彼の投球は､まず打
てません。昨日の試合では仲田投手の投球に敬意を表します。聖光学院は、打でも沖縄
尚学より力があったと思います。あの東浜投手が崩れる不安を何度も抱きました。 投打と
もにハイレベルな聖光学院は、本当に見応えのあるチームでした。 しかし､ その相手に勝
つ事が出来ました。結果論ではありますが、そこに今年の沖縄尚学の強さがあります。一
言で「球運」と言っても、それには裏付けがあります。まず初回、伊古の積極的な打撃と手
堅い攻めで「運」を呼び込みました。 そして､何度も崩れそうになった東浜投手を堅守で支
え、「運」を守り抜きました。それらは日頃の鍛錬によって磨かれた技術の賜物です。沖縄
尚学の強さの根底にあるのは、堅古な守りです。今日の試合は、まさしく沖尚野球の真髄
を見せ付けたベストゲームだったと言えるでしょう。

そして 何とか完封勝利を果たした東浜投手でしたが、やはり 「甲子園」 という場所が彼に
"力み"を与えたのでしょうか？ 昨日は 彼本来の投球が最後まで出来てなかったと思いま
す。彼の持味は内外角に緻密に制球される伸びのある直球です。 もちろんスライダー・ツ
ーシームといった変化球も高レベルですが､それも抜群の直球があってこそです。今日の
試合では高めに何度も抜けるは､両サイドの制球もアバウトになるは、 彼らしくありません
でした。 最終回にはMAX147キロを記録する等、 145キロ前後を連発して力のある所を
見せ付けましたが､ それも彼らしくありませんでした。 もっとも彼にオール直球勝負で挑ま
せる程､ 「甲子園」という舞台は魅惑的だったのでしょう。 この調子では、力を抜くどころか
何度も崩れかけて当然で、 特に5回裏2死満塁で右中間に打たれた時は走者一掃を9割
方確信しました。繰り返し述べますが、この試合では味方守備陣にだいぶ助けられました。
とは言え、それでも試合をまとめる所が彼の凄さであり､ どんな状況になっても何とかクリ
アしてしまう能力が彼にはあります。 ある意味､昨日の試合では彼も持味を発揮出来たと
言えるのでしょうか？とにかく次の試合では、低めの両サイドに抜群のストレートを緻密に
制球して、切れ味抜群の多彩な変化球を駆使する「東浜巨」を期待します。

クレバーかつ冷静な東浜投手さえも熱くなる甲子園、 やはり全国の相手は凄いチームば
かりです。 その初戦で聖光学院のような強いチームと戦えた事は、とても幸運だと思いま
す。今日は随所に見所があり、一つ一つのプレーや駆け引きが非常に高度で面白いゲー
ムでした。奇しくも99年の選抜優勝時の初戦も「1-0」の試合でした。下手に運命的なこじ
付けをする訳ではありませんが、当時完封勝利を収めた比嘉公也氏が、今度は指導者と
して甲子園に戻って来て同じような勝利を挙げた事に深い感慨を覚えます。 さあ次もまた、
己の力を信じてチバリヨー！沖尚ナイン！！


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