ネオ・オキスタ

　[浦添商vs興南 / 浦商は6回表、棚原祐太の先制打で新田亮が生還]


　浦添商が比嘉嵐・新垣大のリレーで興南を完封

　3月8日は高校野球のシーズンイン。この日浦添商グラウンドでは、興南・浦添商業・沖縄尚学の3校リーグが行われました。 そしてその第1試合「浦添商業vs興南」は、手に汗握る投手戦が展開されました。 先発は興南が2年生エース左腕の島袋洋奨、そして浦添商も2年の比嘉嵐志。 今や沖縄を代表する好投手と言える島袋は､ 速球の威力・変化球のキレ・制球力ともに申し分無く、一段とレベルアップした投球を披露してくれました。また浦添商・比嘉嵐もスリークォーターから外角に微妙に出し入れする抜群の制球力を見せ、 危なげない投球を演じました。試合が動いたのは6回表。 この回興南は二人目・伊敷力斗をマウンドへ送りますが、その伊敷は立ち上がりから制球が定まらず､ 二つの四球を与えました。 そこで興南は3人目の佐久田翔太へスイッチ。佐久田は次打者を併殺に抑え2死3塁としますが､続く棚原祐太が一二塁間を破る適時打を放ち、浦添商が先制。浦添商は先発・比嘉嵐の後を受けて登板した二人目の長身右腕・新垣大成も被安打1の無失点で守り抜き、結局試合は1-0のロースコアで浦添商が興南を下しました。浦添商は比嘉嵐・新垣大の投手リレーで、強打の興南打線を相手に被安打5の無四球完封を成し遂げました。

▽練習試合

2009年3月8日（日）

◇浦添商グラウンド：第1試合

浦添商 000 001 000 - 1
興 　南 000 000 000 - 0

（浦）比嘉嵐、新垣大 - 棚原祐
（興）島袋、伊敷、佐久田、砂川 - 永山、山川

二塁打＝仲里、カラム、比嘉良（浦）

　シーズンイン最初の練習試合という事で、 両チームとも打線に本来の調子を見出せませんでしたが、それを抜きにしても､ 両チーム投手陣の仕上り具合には目を見張るものがありました。 まず興南の左腕・島袋はクレバーかつ非常に力強い投球を演じて一回り成長した姿を見せてくれました。 特に今春から採用された新ストライクゾーンぎりぎり低めに決めた130キロ後半の直球は威力充分で､ コーナーに決める変化球も鋭さを増し、この日は5回を投げて被安打5･奪三振7･与四球0の無失点。この調子を持続すればセンバツでも大いに活躍が期待出来るでしょう。そして我々ファンをこの日最も驚かせたのが、 浦添商の比嘉嵐志。捕手のミットが微動だにしない程ずば抜けた制球力を見せ､特に外角低目への出し入れは唸るほど絶妙でした。 球速はまだまだですが、それでも伸びのある球筋は非常に質が良くて、変化球の切れも申し分ありません。 昨秋から好投手の片鱗を伺わせていた比嘉嵐投手ですが、 この春で大きくブレイクすると思います。 浦添商は 5回途中から登板したエース右腕 ・新垣大成も4回2/3を 被安打1・奪三振4・与四球0の無失点。 長い手足を活かしたフォームからの球離れは遅く､丁寧な投球が身上です。 強打・興南さえも封じ込めた投手陣を擁する今春の浦添商には、 前チームに勝るとも劣らない安定感が感じられます。 興南は2番手で登板した2年生大型右腕の伊敷力斗が本来の持味を発揮出来ませんでしたが､ 3年生の長身右腕・佐久田翔太と 2年生左腕の砂川大樹はともに自責点0の無四球投球を演じ、 センバツ本番へ向けて投手陣の層の厚さを見せてくれました。 この日は浦添商が7安打､興南が5安打。 浦添商では2回表に左線突破の二塁打を放った仲里朝樹のセンス溢れる打撃と 新2年生4番・カラム・アレキサンダーの力強い打撃､ そして新田亮の俊足と遊撃守備でのグラブ捌きが光 りました。 興南では2年生核弾頭・国吉大陸の鋭いスイング､ 2安打を放った2年生・伊禮伸 也と眞榮平大輝の強打が目を引きました。

　余談ですが､前夜までの雨でこの日朝の浦添商業グラウンドは一面がプールのような水浸し。 しかし試合開始予定時間が1時間ほど遅れたとは言え、結局全3試合をこなす事が出来ました。 長い月日を要して砂地へとならされていった同校グラウンドの水捌けの良さにも驚きましたが、早朝からスポンジで懸命の水取り作業に頑張った浦添商野球部員達の奮闘努力と､ 進んで泥だらけになり協力し合った 興南＆沖縄尚学の野球部員達の団結力には､ 見て て 非常に清清しいものがありました。 沖縄球児の力が結集して生み出された大きなパワ ーに、彼らの輝く未来を感じました。

※　選手の学年は新学年です。


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