2007年06月07日

第89回全国高校野球沖縄大会. 抽選前の展望


[浦添商業グラウンド]


第89回全国高校野球選手権沖縄大会の抽選が、8日午後2時から
北中城村立中央公民館で行われます。 そこで、 抽選を前に今大会
の大まかな展望を述べてみたいと思います。


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現チームの過去の大会を振り返ってみると、 春季大会は優勝が中部商、
準優勝が豊見城、ベスト4は八重山商工と普天間 。 秋季大会は優勝が
八重山商工、準優勝が浦添商業、ベスト4は宮古と本部。新人中央大会
は優勝が沖縄尚学、準優勝が首里、ベスト4は普天間と具志川商。 現3
年生の1年生大会は優勝が中部商、準優勝は八重山商工、 現2年生の
1年生大会は優勝が沖縄尚学、準優勝は興南。
と、 過去大会において上位進出したチームが12校もあり、 今年の沖縄
高校野球の群雄割拠ぶりを見事に示しています。 その中で、 複数回上
位進出したのは、八商工・中部商業・沖縄尚学・普天間の4校。まさに実
力校であるこの4校を中心に 夏を占うのが妥当とも言えますが、 そうは
行かないのが今夏の沖縄高校野球です。

中堅チームの戦力アップに加え、 今年は春以降、特に有力校に様々な
出来事がありました。 まず、 中部商・興南・具志川商といった実力校に
監督移動がありました。それから強豪沖尚を揺るがした特待生問題。沖
尚にとっては 秋季大会不出場に続く連続打撃でした。 そして 沖縄水産
の名将・栽監督の逝去。 有力校を揺り動かした これらの出来事が与え
た影響が、各校にとって吉と出るか凶と出るか?

とりあえず有力校を中心に簡単に戦力分析して見ると、中部商は羽地・
蔵当・湧川の投手陣に大城亮・島袋を中心とした打撃力は強力で、 総
合的には最も高い戦力を保持しています。沖縄尚学は、2年生の右腕・
東浜と左腕・上原、 3年生左腕の井戸、 右腕・嘉数らの投手陣のレベ
ルが高く、野手陣のプレーも洗練されています。 浦添商は146キロ右
腕の2年生エース伊波に、 成長著しい 稲嶺・松本を中心とした打撃陣
は圧倒的です。 普天間はセンス抜群の比嘉慎を中心に好プレーヤー
が揃います。 沖縄水産は 大城・屋我の大型投手陣に打撃のスケール
も大きく、新戦力の台頭も見込まれます。 八重山商工は 當山・波平の
両左腕が安定しており、 船道・嘉数ら 経験豊富な選手が揃うのも強み
です。興南は 幸喜・山内の両好投手左腕がおり、 比嘉光・小濱ら野手
陣も鍛え抜かれています。豊見城は 好投手の我喜屋に控えの照喜名
がおり、西銘捕手等好選手が目立ちます。前原は 3年生右腕の安里・
與古田に 2年生左腕の屋宜といった好投手を揃え、打撃力もあります。
具志川商は 、諸見里・久場・仲宗根輝といった 素質の高い選手を中心
に投打に力強いチームです。宮古は 右本格派・下地が 最期の夏に賭
けます。本部・比嘉将、 宜野座・仲間、 与勝・島袋、糸満・大城、翔南・
川満ら、 好投手を擁するチームも 期待が持てます 。 沖縄工・宮城貴、
読谷・伊禮、 八重山農林・長間、 八重山・小禄 ら 好選手を抱えるチー
ムも注目です。 毎回 夏にドラマを見せる首里や、そつのない 那覇商・
コザも楽しみです。 名護は かつて宜野座で指揮を振るった 奥浜監督
がそろそろ真価を発揮しそうです。

個人的には 、 チーム作りが順調に進んでいる浦添商と 普天間、 そし
て士気の上がる沖縄水産、実力校の 沖縄尚学と 中部商、本番に強い
八重山商工、 好素材の多い 興南 ・ 具志川商 あたりを有力視します。
とは言え、今大会ほど 各校の実力が接近して 予測の難しい大会はあ
りません。 特に好投手を抱えるチームは 一気に波に乗り 頂点を極め
る可能性があります。また 春の4強であるシード校以外に 強豪が多い
事から、序盤戦から 激しい星の潰し合いが予想されます。 それだけに、
今年は 特に 抽選の結果が 大きな影響を与えるでしょう。 今年の沖縄
大会は、 これまで以上に 熱く ドラマチックな試合が 展開されそうです。


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Posted by neogaia at 00:15 │沖縄高校野球






この記事へのコメント
neogaiaさん、おはようございます。
抽選前の展望興味深く読ませてもらいました。本当に今年の夏は予想しずらい(とはいえ過去予想しても当たったためしはありませんが・・。)ですね。

個人的な主観のみでいえば、母校である普天間に頑張って欲しいですが、栽監督の思いを叶えるためにも沖水にも頑張って欲しいです。
さらに春季大会で久しぶりに聞いた校歌がおもわずジーンときてしまった豊見城も、もう一度甲子園で校歌を聞かせてもらいたい学校ですし、今年度本当に苦労したチームである沖尚にも期待しています。

ただ本命といえば、やはり中部商になるでしょうか。投打に力があり、とにかくここ数年県内では一番実績を出していますので最有力チームといえると思います。一点だけ不安材料としては、盛根監督と選手間の信頼関係が短い期間でどこまで構築することが出来たのかという点ですが、うまく噛み合った試合運びが展開されることを期待しています。

また、浦商は春季大会後、投打に厚みが加わわり、いいチーム状態のようですので大いに期待したいと思います。

neogaiaさんもおっしゃっているように、今年の抽選・組み合わせはどのチームにも大きく影響を与えると思います。春季の浦添商ブロックのように強豪チームが集まることもあるかも知れませんが、その中で頂点に上っていくチームは結果論としての事ですが、どこよりも勝負を諦めないということに執着したチームで、その気持ちが運まで呼び込むことになったチームが多いような気がします。
どのチームも勝負を諦めないプレイが出来ると、素晴らしい大会になるでしょうね。
Posted by 一高校野球ファン at 2007年06月07日 10:50
>一高校野球ファンさん

コメントありがとうございます。
偉そうに展望など書いてますが、
実は私の予想もなかなか当たりません(笑。
ただ予想外の事が起こるのが高校野球の面白さだと
自分を納得させています・・・

一高校野球ファンさんは普天間OBなんですね。
今年の普天間はかなりやると思いますよ。
そして色々あった沖水・沖尚、懐かしの豊見城と
本当に皆、甲子園に出してやりたいですよね。

中部商は確かに一番地力のあるチームだと思います。
ただ仰るように盛根監督と選手がうまく噛み合うかどうかですね。
正直春の九州大会以降は、噛み合ってなかったように思います。
ただ、はまった時は圧倒的な強さを発揮するでしょう。

客観的にみて中部商・沖尚を本命トップ2だとすれば、
若い浦商や、沖水あるいは普天間あたりは、
勢いのあるダークホース的立場でしょうか?
ただこの勢いというのが高校野球ではとても大事です。
本命2校に不安材料がある今大会、浦商・沖水・普天間あたりは
チャンス大だと思います。

>その中で頂点に上っていくチームは結果論としての事ですが、
>どこよりも勝負を諦めないということに執着したチームで、
>その気持ちが運まで呼び込むことになったチームが多いような
>気がします。

まさにその通りだと思います。勝利への意欲が何処よりも強く、
がむしゃらに闘争心むき出しにプレーするチームが
結局は頂点を掴むのだと思います。
そういう意味でも高校生活の集大成である夏の大会は、
技術面よりも精神面が大きく結果に左右するのでしょう。

開幕まであとわずか。青春の大きな一瞬であるこの夏に、
全球児がなお一層輝く事を期待して止みません。
Posted by neogaia at 2007年06月08日 00:47