2007年04月09日

県春季高校野球・オキスタ的大会総評

八重山商工vs那覇西より


だいぶ遅くなりましたが、第54回沖縄県高等学校野球春季大会の個人的総評を述
べてみたいと思います。


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真っ先に感じた事は、今年のセンバツでも言える事なのですが、新試合球の影響が
はっきりと出た大会だったという事です。いわゆる 「投高打低」 でした。驚いたのは、
8強中チーム打率が3割を超えたのは普天間と興南の2校だけという結果です。但し
単純に、新球の低反発性といった性質による結果というよりも、その性質を巧みに活
かした各投手の創意工夫といった努力が伺われます。特に大会を通じて感じられた
事は、各投手の変化球が格段に鋭くなっていた事です。新球は縫い糸の高さが0.2
ミリ高くなったそうですが、その影響は予想以上だったようです。優勝した中部商の
投手陣の変化球は、特に凄まじいものがありました。

もっとも新球云々を抜きにしても 、中部商の投手陣は見事でした。蔵当・湧川・羽地
の投手陣は本当に隙が無く、レベルの高いものでした。彼らの投球が九州大会でど
れほど通用するのか楽しみです。中部商は打撃・走塁・守備においても鍛え抜かれ
ており、総合力では沖縄ナンバー1だと言えます。あとは緻密さが加われば、かなり
のチーム力だと言えるのではないでしょうか?準優勝の豊見城は、やはり我喜屋・
照貴名の投手陣が光りました。打線も集中力が抜群で、見事に流れを読んだ戦い
ぶりだったと思います。3位の八重山商工は、昨秋の優勝チームにしては物足りな
かったというのが率直な感想です。當山・波平の両左腕は成長の跡が伺え夏に期
待が持てましたが、攻撃力に関しては更なる伸びを期待します。4位の普天間はエ
ース比嘉慎二が万全であれば、力のあるチームだと言えます。課題は比嘉慎以外
の投手力と、強豪チームに対して怯まない精神力だと思います。8強の沖縄尚学は
実力では中部商と双璧の沖縄トップクラスのチームだと思います。現時点ではナン
バー2でしょうか?東浜を中心とした投手陣は、その将来性も加えてまさに豪華絢
爛です。但し、このチームは打線に不満が残ります。せっかく素質充分な選手達を
揃えているので、もっと伸び伸びとパワフルに育てられないものでしょうか?興南は
メンバーを見るに決して万全のチーム状態だとは思えなかったのですが、幸喜・山
内の両左腕を中心によくやったと思います。ここもやはり素晴らしい選手が揃ってい
るので、今後に期待が持てます。本部はエースの比嘉将を軸にシード校に恥じない
戦いぶりだったと思います。那覇西も金城大投手らの好投が光り 、コザ・前原らが
揃う激戦ブロックを勝ち抜きました。

シード校では浦添商・宮古が初戦敗退。浦添商は初戦が沖尚だったので仕方ない
面もありましたが、宮古に関しては昨秋からの成長が感じられなかったと言えます。
この春でどれだけ悔しい思いをしたかが、彼らが夏までに伸びるかどうかの鍵でし
ょう。もっとも相手の与勝はエース島袋投手をはじめ好選手が揃う素晴らしいチー
ムでした。浦添商は、エース伊波投手の頑張りが光りましたが、相手の東浜投手に
完全に抑えられました。今後の奮起に期待したいと思います。その他、具志川商や
糸満といった力のあるチームが 、その持てる力を発揮できずに空回りしてしまった
のは非常に残念です。具志川商には素質の高い選手が揃ってました。糸満にして
も然りです。大会を通じて、今年も例年のように好選手が多く目立ちました。明日以
降、彼ら好選手を数回に分けて特集でとり上げたいと思います。

今年の春季大会は、それぞれのチームが持味を充分に発揮しましたが、結果は概
ね妥当だったと思います。つまり実力校が順当に結果を出したという事です。その優
勝した中部商の上原監督はこの大会を最後に糸満へ移動されるそうです。糸満にも
もちろん素晴らしい選手は多くいますが、やはりあれだけの戦力を残して離れるのは
非常に心残りだと思います。同じ事が具志川商の池宮城監督に対しても言えます。
あの選手達を1年生の時から鍛えてきて、最終学年に離れざるを得ないとは・・・。今
年は特に監督の移動が激しいらしく、上記の中部商 ・具志川商・糸満の他に南部商
・興南などでも監督交代があるようです。今夏以降の沖縄高校野球の勢力図は大き
く変わりそうです。それにしても県立高校の監督在任期間は、あまりにも短いような
気がします(5年くらい?)。結果沖縄では県立高校が強豪校として長期に渡って名
を馳せる事がありません。それは沖縄高校野球界にとって良い事なのでしょうか?

最後いささか話がそれましたが、オキスタ的春季大会総評を述べさせて頂きました。



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Posted by neogaia at 01:57 │沖縄高校野球






この記事へのコメント
neogaiさん

とにかく、夏の甲子園は、沖縄勢にやってもらわないと。

あの、仙台育英の敗北。夏には、いいところ、見せろよの心境です。
Posted by nqa42217 at 2007年04月09日 21:29
>nqa42217さん

ありがとうございます。
夏の沖縄勢、期待したいと思います。

そのために、まず前哨戦とも言える春季九州大会で、
現在の沖縄代表のレベルを測ってみたいと思います。

仙台育英は夏には間違いなく活躍するでしょう。
あの戦力であのまま終わる訳がありません。
仙台育英の夏も楽しみです!

追伸:近々石垣へ!
Posted by neogaia at 2007年04月10日 01:59
簡潔なレビューどうもありがとうございます。
中部商に対しては夏に向けて各チームいろいろマークしてくるでしょうが、とにかく三本柱が大崩れしないだけに、投手が踏ん張ってロースコアの接戦に持ち込み、その上で機動力で揺さぶるようなことをしないとなかなか攻略は難しいかも知れませんね。

夏の大会は、とにかく、昨年よりは上下の実力差の詰まった大会になると思います。組み合わせにも寄ると思いますが、トーナメントの中で力をつけながらあれよあれよと勝ち進む学校が出てくるでしょう。
これから短いですが、どの学校もけが人出さないように、万全に仕上げて大会に臨んで欲しいですね。
Posted by @北谷球場 at 2007年04月10日 19:13
>@北谷球場さん

おかげさまで、今春季大会の選手特集では充実した内容の
写真を掲載させる事が出来ました。
今日までに、投手編(3年生・2年生)をアップしました。
明日からは野手編を2回に分けてアップさせる予定です。
また気付いた点がございましたらご指導のほどお願い致します。
この度は本当にありがとうございました。

>中部商に対しては~、投手が踏ん張ってロースコアの接戦に持ち込み、
>その上で機動力で揺さぶるようなことをしないとなかなか攻略は難しい
>かも知れませんね。

仰るとおりです。やはり対戦相手はしっかりとした投手力で挑まないと
勝負にならないと思います。

>夏の大会は~、トーナメントの中で力をつけながらあれよあれよと
>勝ち進む学校が出てくるでしょう。

今年のようなケースでは充分考えられますね。
しかし、それも投手力次第ですね。そういうサプライズを起こしそうな
チームは結構あります。普天間・豊見城・前原・具志川商・・・・
今年の夏は、かなり盛り上がりそうな気がします。
Posted by neogaia at 2007年04月11日 00:51