[健闘空しく準決勝で敗退した浦商ナイン。2008/8/17、阪神甲子園球場]
浦添商業、常葉菊川の前に涙を飲む・・・
第90回全国高校野球選手権記念大会 (日本高校野球連盟、朝日新聞社主催、8月18日
まで、阪神甲子園球場) の 十六日目第一試合に登場した沖縄県代表の浦添商業高校は、
静岡代表の常葉菊川高校との準決勝を行いました。試合は2 回表に浦添商が先制するも、
その裏に栩木の適時打で勝ち越した常葉菊川が、 前田の満塁本塁打などで一挙9点を挙
げました。 浦添商は相手を上回る13安打を放つも要所で堅守に阻まれ、試合は結局9-4
で常葉菊川が浦添商を下し、決勝進出を決めました。
浦添商が今大会初先発の技巧派・島根博士、 常葉菊川が故障の左腕エース・戸狩聡希と、
両投手の先発で始まった試合は、まず浦添商が先行しました。 2回表の浦添商は、1死か
ら當山加が左越え二塁打を放ち出塁すると、 2死後に新田の遊ゴロが相手失策を招き、そ
の間に當山が生還し1点を先制しました。 するとその裏の常葉菊川は、この回先頭の中川
が遊撃内野安打で出塁すると、四球と上嶋の左前安打で無死満塁の好機を作りました。制
球の定まらない浦商先発の島根は、ここで押し出しの死球を与えて1-1の同点。 更に栩木
の左前適時打で2-1と勝ち越すと、なおも無死満塁で浦添商は先発・島根からエースの伊
波翔悟へスイッチ。 伊波は後続を二ゴロ・三振に仕留め2死となるも、2番の伊藤が中越え
に満塁の走者一掃の三塁打を放ち5-1としました。 更に遊ゴロ失策と四球で二死満塁とな
ったところで、5番の前田が左越えにグランドスラム。 序盤でスコアは9-1と、 この回打者
12人の猛攻を見せた常葉菊川が 圧倒的に試合を優位に進めました。 反撃を試みる浦添
商は3回表、二死無走者から上地俊が遊撃内野安打で出塁すると、宮平の右前安打の後
に4番の山城が右越えに走者一掃の2点適時二塁打を放ち3-9としました。 更に浦添商は
6回表、 この回先頭の山城が中越えの二塁打で出塁すると、 仲間が中前へ適時打を放ち
4-9と5点差に詰め寄りました。 そして當山加の右前安打に続き仲里も四球を選び、 浦添
商は無死満塁と攻め立てましたが、 1死後、伊波の中前へ抜けようかというライナーを、常
葉菊川の二塁手・町田がダイビングで好捕、 2走戻れず併殺となり、 浦添商は大きな反撃
の機会を逸しました。 疲労の浦添商エース・伊波は、3回以降は粘りの投球で常葉菊川の
攻撃を無失点抑え、 特に7回裏の一死13塁のピンチでは 好守でスクイズを阻むなど意地
を見せましたが、 試合は結局、2回の大量点を守り抜いた常葉菊川の前に浦添商は9-4で
敗れ、決勝を前に涙を飲みました。 この試合の常葉菊川は、2回の好機に恐るべき集中打
を見せた攻撃は勿論ですが、二塁手の町田らの堅守が大きく光りました。 浦添商は、相手
を上回る毎回の13安打で 再三の反撃を試みる粘りを見せ、守備面でもエース伊波らが中
盤以降は必死に守り抜きましたが、 投手交代の間隙を付かれた2回裏の乱れが 最後まで
大きく響きました。
浦添商との準決勝を制した常葉菊川は、翌日の決勝戦で敗れて準優勝に終わり、 8月2日
に始まった 第90回全国高校野球選手権記念大会は、北大阪代表・大阪桐蔭が17年ぶり
2度目の優勝を飾り17日間の熱闘に幕を閉じました。
第90回全国高校野球選手権記念大会の組合せ&結果(asahi.com)
http://www2.asahi.com/koshien/
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▽第90回全国高校野球選手権記念大会・試合結果(第16日)
2008年8月17日(日)
阪神甲子園球場 (観衆 44,000人)
準決勝・第1試合 (開始11:00 試合時間 2時間4分)
浦添商業(沖 縄) 012 001 000 - 4
常葉菊川(静 岡) 090 000 00x - 9
(浦)島根、伊波 - 山城
(常)戸狩、野島、戸狩 - 栩木
本塁打=前田2号満塁(常)
二塁打=伊藤、中川(常)當山加、山城2(浦)
◇犠打 樋口(常)
◇盗塁 前田(常)上地俊(浦)
◇失策 酒井(常)上地俊2、伊波(浦)
◇残塁 (常)5 (浦)6 ◇併殺 (常)3 (浦)1
◇審判 長谷川(球)桂、三宅、窪田(塁)
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