チバリヨー 沖縄尚学!

neogaia

2008年01月26日 04:15




昨日行われた第80回記念選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、3月22日から13日間、阪神甲子園球場) の出場校を決める選考委員会で、九州地区代表として3年ぶり4回目の春のセンバツ出場を決めた沖縄尚学高校。

前回出場時の第77回選抜ではベスト8と春には俄然強さを発揮する沖縄尚学ですが、今年のチームは選抜優勝の経験を持つ若い比嘉公也監督のもと、投攻守において例年以上に充実した戦力を誇ります。そこで同校の昨秋までの戦力を簡単に分析しながら 語りたいと思います。


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今年の沖縄尚学が注目を集める最大の要因は、何と言っても充実した投手陣にあります。絶対的エースの右本格派・東浜巨投手に大型左腕の上原亘投手。エースとして選抜優勝の経験を持つ比嘉公也監督をして、これ程の投手陣にはこの先巡りあえないかも知れないと言わしめるほどの左右両輪が揃います。細身の体ながら181cmの長身から長い腕をしならせて球持ちの良い直球を放る東浜投手は、その伸びのあるストレートの球質が抜群です。更にアウトローに直球・スライダーを微妙に出し入れの出来る緻密な制球力は、彼の最大の長所と言えるでしょう。また打者の胸元に緩い変化球を放れる度胸といいフィールディングの巧みさといい、クイックの速さ・ 牽制の速さといい、投手としてのセンスを見事に兼ね備えています。左腕の上原亘投手は184cm・80㎏の手足の長い恵まれた体格から、威力抜群の直球を放ります。彼の魅力は抜群の腕の振りで、非常に高い将来性を伺わせます。この先経験を積めば、東浜投手に勝るとも劣らない圧倒的スケールの好投手に成長する可能性を感じます。

野手陣にも好プレーヤーが揃います。主将の西銘生悟遊撃手はチームの中心的存在で、チャンスに滅法強いスイッチヒッターです。強肩を活かした守備範囲は広くて安定感抜群です。主砲の仲宗根一晟二塁手は穴の少ない強打者で、その長打力と打球の速さには目を見張るものがあります。1年生の嶺井博希捕手は、リード・フットワーク・打撃ともに素晴らしいセンスを見せる好捕手で、比嘉公也監督の信頼も厚いスーパープレイヤーです。優れた出塁率を誇る伊古聖・伊志嶺大地の快速1.2番コンビは足の速さは勿論の事、その走塁技術に冴えを見せ、犠打の確実性と勝負強さ・長打力も有します。恐怖の9番打者・高甫栄輝三塁手は攻守に積極的な強打者で、闘志溢れる三塁守備と脅威の打力、果敢に盗塁に挑む走塁といい素晴らしい選手です。 1年生ながら秋季大会ではクリーンナップを任された普天間有司選手は、本来は投手を務める強肩に一発を打てる長打力が魅力です。九州大会で本塁打を放った金城圭右一塁手は、恵まれた体格から主軸に勝るとも劣らない強打を発揮します。また故障で秋季大会に出遅れた本来のレギュラーだった新垣匠選手も体格の良い強肩・強打の選手。センバツでの復活が期待されます。このように素質豊かな好選手が多く揃う今年の沖尚野手陣は、特に守備に関しては文句の付け様がありません。またチャンスに一気に畳み掛ける攻撃にも唸らされますが、ただ昨秋の県大会から九州大会まで見て、強打の割りに淡白さが目に付きました。 大量得点を奪った試合は意外と少なく、攻撃にむらが目立ちました。確かにバリエーション豊かな攻めも見せますが、欲を言えば、圧倒的に得点を重ねる野球を見せて欲しいと思います。野球は投手が大きな比重を占めるとは言え、投手陣の調子が悪い事も多々あります。守りは勿論、3年前のように打力で打ち勝つ野球も期待します。

このように素質豊かな選手達が揃う今年の沖縄尚学が、来るセンバツで全国の強豪相手にどんな戦いぶりを演じるのか非常に楽しみです。またもう一つの楽しみが若い比嘉公也監督の甲子園復帰です。1999年に沖縄初の全国制覇を成し遂げたチームのエースが監督として甲子園に戻って来るのです。沖縄高校野球ファンの一人として、これ程感慨深い事はありません。1999年選抜決勝でのウエーブ、準決勝のPL学園戦での延長12回212球の熱投。あの試合、9回裏PLの攻撃、2死3塁で打者は7回に同点打を放った覚前昌也(元・近鉄)。一打サヨナラの場面で最強の強打者を迎えた時、比嘉公也投手は 度胸満点の直球を胸元に投げ込み見事遊ゴロに打ち取ったのでした。今にして思えば あの渾身の1球が沖縄野球の歴史を変えたと言っても過言ではありません。金城孝夫監督 ( 現長崎・長崎日大監督 )・角田篤敏監督 ( 現岡山・作陽監督 ) という2人の名将の系譜を受け継いで、あの好男子が監督として帰ってきます。

一介の高校野球ファンが語りたい事は山ほどありますが、とにかく今回のセンバツ出場決定は非常に喜ばしい事です。おめでとう沖縄尚学ナイン、そして比嘉公也監督。我々外野の声はプレッシャーにもなるのかも知れませんが、回りを気にせず己のペースで平常心で挑んで欲しいと思います。そして「恐れず、侮らず、気負わず」憧れの甲子園で、喜びを爆発させて大いに楽しんできて欲しいと思います。


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沖縄尚学高校、春のセンバツ出場決定!
http://neogaia.ti-da.net/e1943855.html

本日、センバツ出場校決定選考委員会開催
http://neogaia.ti-da.net/e1941256.html


センバツ行進曲決定 コブクロ「蕾」
http://neogaia.ti-da.net/e1930568.html


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