ネオ・オキスタ

[中商vs沖水： 中部商は８回裏､山川穂高がバックスクリーンへ豪快２ラン]


　興南が八商工との激闘を制し､２年ぶりの16度目の夏決勝進出を果たす！
　中部商は山川の２号本塁打等で沖水を粉砕、３年ぶり５度目の夏決勝へ！
　
　第91回全国高校野球選手権沖縄大会十日目は ７月18日､ 北谷公園野球場で準決勝の２試合が行われました。第１試合では第１シードの興南が八重山商工との激しい接戦を制して２年ぶりの16度目の夏決勝進出を決めました。第２試合では､ 第３シードの沖縄水産が先制するも仲里孝の三塁打等で逆転に成功した第２シードの中部商が 山川の本塁打で沖縄水産を突き放し、３年ぶり５度目の夏決勝進出を果たしました。

　北谷公園野球場で行われた第１試合 ｢興南vs八重山商工」 は、 興南が２年生左腕の島袋洋奨、八重山商工が右腕の花城直将と 両エースの先発で始まりました。 試合はまず興南が先制。 ２回表の興南は１死無走者から四球と我如古の左前安打で１２塁とすると、 山川が中越えの適時三塁打を放ち２点を先取。 更に１死３塁から続く国吉大陸がスクイズを決め、この回一挙３点を挙げました。対する八重山商工はその裏、先頭の田中から３連続の四死球で無死満塁の好機を得ると、 宮良が二遊間突破の中前２点適時打を放ち、 更に阿嘉も右前適時打で続き、一気に３－３の同点に追い付きました。 すると興南は５回表、四球と山元の左前安打等で１死１３塁とすると、ここで代わった八重山商工・大嶺翔太から慶田城が左中間へ適時打を放ち再び４－３と勝ち越しに成功しました。 ところが粘る八重山商工は７回裏、大嶺・宮良の連続安打等で１死１３塁とすると､ 加藤次が左中間へ犠飛を放ち４－４と再び同点に追い付きました。 そして迎えた９回表、興南は２死無走者から山川が粘って四球で出塁すると、国吉大陸の三遊間突破左前安打と四球で２死満塁となったところで、 山元の投直が投手・大嶺のグラブを弾いて一二塁間へ転がる適時内野安打となり､ 再び勝ち越しに成功。 追いつ追われつの激戦は､ ５－４で 興南が八重山商工を下して決勝戦へ進出。 ２年ぶり16度目の決勝進出を果たしました。
　興南の２年生左腕エース･島袋はこの日制球が定まらず絶不調。 それでも気迫の投球で沖縄屈指の強打を誇る八重山商工打線を相手に逆転を許しませんでした。中でも同点に追い付かれた直後の３回裏無死１２塁の場面、 また５回裏２死満塁の場面、 そして７回裏無死１３塁の場面でも 強気の投球で追加点を与えませんでした。圧巻は５回裏２死から６回裏にかけての４者連続三振で、結局奪三振は11を数えました。 この日の興南は、不調のエースをバックが盛り立て、特に捕手･山川の強肩は際立ち 再三の刺殺で八重山商工得意の機動力を封じ、決して相手を勢いに乗せる事はありませんでした。山川は攻撃面でも先制三塁打を放ち､また９回表には２死無走者から脅威の粘りで四球を選び､ 貴重な決勝点に結び付けました。 春から夏にかけて一層隙の無い戦力が整った興南にはまさしく王者の風格が感じられました。
　今大会無失点投球を続けていた興南・島袋から 初の得点を奪った 八重山商工打線の力量には改めて唸らされました。 難攻不落と思われた島袋に対し、 興南打線を上回る長短９安打を浴びせ４得点を奪い、最強投手を最後まで追い詰めました。各打者のスイングスピードの速さは島袋に多大な圧力を与え、 安定感抜群の好投手の制球力を乱す要因となりました。また八重山商工打線の中でも一際輝いたのが、 宮良当太郎。 シュアな打撃で島袋から圧巻の５打数５安打と驚く結果を残し、 改めてその類稀な才能を見せ付けました。 最後は僅かな球運の差で敗れた八重山商工ですが､ 投攻守にハイレベルな布陣は頂点に立ってもおかしくない戦力だったと言えるでしょう。

　続く第２試合｢中部商業vs沖縄水産｣も手に汗握る非常に素晴らしい試合が展開されました。沖縄水産がサウスポーの知念績太、 中部商が本格派右腕エースの根間孝太と 両好投手の先発で始まった試合は、 まず沖縄水産が先制。３回表の沖縄水産は、２死無走者から四球と崎枝の左前安打で１２塁とすると、 山城明の一二塁間へのゴロが敵失を誘い二走が生還して１点を先取。 更に２死２３塁から比嘉秀も三遊間を破る左前適時打で続き、 この回２点を挙げました。対する中部商はその裏、同じく２死無走者から敵失と稲嶺の三遊間突破左前安打で１２塁とすると仲里孝が左中間突破の２点適時三塁打を放ち同点に追い付き、 更に山川も二遊間を痛烈に破る中前適時打を放ち一気に３－２と逆転に成功しました。沖縄水産は７回表から先発・知念に代えてエース右腕の比嘉智哉を投入しましたが ８回裏の中部商は、この回先頭の仲里孝が右中間突破の二塁打で出塁すると､ 山川がバックスクリーンに叩き込む驚愕の２ランを放ち５－２と沖縄水産を突き放しました。粘る沖縄水産は９回表､ 四死球と暴投等で１死２３塁の好機を得たところで 上原大が右犠飛を放ち１点を返しましたが反撃もそこまで。 試合は中部商業が５－３で沖縄水産を下し、３年ぶり５度目の決勝進出を決めました。
　中部商は 投打に圧倒的なパワーを見せ付けました。 追撃の左中間三塁打に駄目押しに繋げる右中間二塁打を放った 仲里孝のセンス溢れる打撃､ そして脅威の弾丸ライナーでバックスクリーンに突き刺した主砲･山川の抜群の破壊力には改めて驚かされました。 群を抜く打力を誇る主軸だけでなく、 全体的に力感溢れる中部商打線は間違いなく沖縄一の強力打線と言えるでしょう。 そして打線以上に素晴らしかったのが本格派右腕エース・根間孝太。威力抜群の快速球に加えて切れ味充分のスライダー､ 何よりも気迫溢れる闘志でマウンドに仁王立ち。この日も圧巻の13三振を奪い、球場の灼熱に負けない熱投を演じてくれました。
　1998年夏以来の甲子園出場を目指した沖縄水産は､ 充分に栄冠を狙えるチーム力を 有していたと言えるでしょう。中でもこの日先発した左腕の知念に右本格派の比嘉智擁する投手力は今大会屈指でした。 両投手の最後の夏に賭けた意地は、その成長ぶりからも充分に感じ取れました。 とりわけこの日、中部商が誇る仲里・山川の主軸に対して真っ向から挑んだ投球は打たれはしましたが、 見所満載で胸を熱く打ちました。 打線は中部商・根間の前に５安打に抑えられましたが上原大・崎枝の１・２番に山城明・比嘉秀・比嘉智の主軸は強力で、先制点を叩き出した卒の無さに加え､ 最終回に見せた粘りは 名門の今後の大いなる復活を 予感させてくれました。

　大会最終日の７月19日は、北谷公園野球場で決勝戦が行われました。


　第91回全国高校野球選手権沖縄大会・トーナメント表
　http://neogaia.ti-da.net/e2507528.html



[興南vs八商工： 興南は2回表1死12塁、山川大輔が先制中越え三塁打]


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